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Beauty Source キレイの魔法

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浜松中納言物語

散逸首巻
美しく学芸に優れた中納言は、父の式部卿宮を亡くし、夫を亡くした母が
左大将と再婚したことを受け入れられず、出家を望んでいたが
父が唐土で第三皇子として生まれ変わっていると知り、渡海することを決意する。

渡海の準備が整ったとき、中納言は大将の二人の娘のうち、
新式部卿宮に求婚されていた大姫と結ばれ、心残しながらも、
唐土へ渡るが、大姫は中納言の子を宿し、出家してから児姫を生む。

巻第一
中納言は、美しさと学芸で唐の御門に気に入られ、父が転生した第三皇子を生んだ
唐后にも対面する。唐后は、筑紫に渡った唐の大臣と上野宮(かんつけのみや)の
娘との子で、権勢をふるう一の大臣とその娘の一の后に疎まれ、
河陽県(こうようけん)の離宮に住んでいた。

中納言は、一の大臣の五の姫に恋され、大臣に請われて五の姫の部屋へ案内されるも
関係は結ばなかった一方、絶世の美女である唐后に恋焦がれ、夢のお告げで
山陰(さんゆう)に籠り、同じくお籠りをしていた女性を唐后と知らず結ばれる。
唐后は若宮を生み落とし、帰国することになった中納言に文箱と共に若宮を託す。

巻第二
渡海し筑紫で大弐に歓待された中納言は、大弐の娘に引き合わされるが、五の姫と
同じく関係を結ばないまま京に戻り、児姫を生んだ大姫が尼となり中納言邸で
母と暮らしていると知り、御堂を建て、清い関係のままで夫婦となることにする。

若宮は中将の乳母の里で育てられ、児姫も袴着を迎えた頃、文箱を開けると、
唐后の別れた母への文に中納言と第三皇子との関係と、別れた母に異父妹がいると
綴られており、中納言は唐后の母を知る僧が隠棲する吉野へ向かう。

巻第三
吉野の聖は、唐后の母が師宮と結ばれて生んだ唐后の異父妹と、今は尼となって
暮らしていると語り、中納言は二人を訪ね、世話をすることを申し出る。
そのころ、大弐の娘が上京し衛門督と結婚すると知った中納言は、
密かに大弐の娘と関係を結ぶ。

御堂が完成し、法華八講が営まれるも、中納言は尼姫君に沿い臥しなどするため
尼姫君は別居を願う一方、中納言は承香殿の女御腹の皇女降嫁を打診される。
再び、吉野を訪れた中納言は、唐后の異父妹の姫君を尼君から託されて歌を交わし、
唐后の面影を求めるのだった。

巻第四
皇女降嫁をためらっているうちに、中納言は尼君が紫雲と共に往生したのに
立ち合い、気を失った姫君の美しさに心奪われる。中将の乳母の里に姫君を
移すことにした中納言は、吉野の聖から、姫君が二十歳より前に関係を結ぶと
不幸になると諌められる。姫君は中納言と唐后との関係を知り、若君と打ち解ける。

新式部卿宮は、大姫と結婚できず、その妹が代わりに北の方になっていた。正月に
中納言邸で、左大将、中納言の母北の方、尼姫君、式部卿宮、式部卿宮北の方が集い
児姫の戴餅(いただきもちい)の儀が行われ、吉野の姫君のもとでは、
若君の戴餅の儀が行われる。

式部卿宮は中納言と女性談義をした後、中納言をつけて吉野の姫君をみつける。
中納言は、唐后が病に伏している夢を見ていたが、三月十六日に月を眺めて、
虚空に声を聞き、唐后の昇天を知る。中納言が千日精進を始め、同時に
吉野の姫君が瘧になっているため清水寺へ参篭させたことを、式部卿宮は知る。

巻第五
清水寺から吉野の姫君が失踪し、大弐の娘が中納言の子を身ごもる。
吉野の姫君が見つからないまま、中納言は夢で唐后が吉野の姫の子として
転生することを告げられる。

東宮が亡くなり、次の東宮となった式部卿宮は、吉野の姫を梅壺に移すが、
吉野の姫君の容態は悪くなるばかりで、ついに中納言に真実を話す。中納言は
吉野の聖の言葉を守った手前、式部卿宮には吉野の姫君が異母妹であると言い繕う。

中納言は東宮大夫となり、懐妊した吉野の姫君の後見役として引き取ったが、
異母妹と言ったために、関係を持つことができない。翌年、唐后が実際に
崩御していたこと、第三皇子が立太子したこと、五の姫が尼となったことを
唐土から知らされ、中納言は涙にくれるのだった。


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